味な旬ばなし

November ふるさとの鍋料理

鍋物が一つの料理として認められるようになったルーツは農家などの囲炉裏端での食事といわれています。本来の日本料理は各人の器にそれぞれ料理を盛り付けた膳組みが主流でした。しかし時代とともに、大勢が分け隔てなく熱々の出来立てを楽しめる鍋料理は、たちまち人気を呼んで広がり、現代では各地の鍋料理を全国的に楽しむようになりました。

湯気の立つ鍋を皆で囲む冬の食卓では、普段は何もしない父親が「鍋奉行」として大はりきり。家族団らんにひと役買うのも、鍋料理の魅力です。

 冬の食卓の主役である鍋料理の種類を整理してみると、汁の状態から大きく3つのタイプに分けられます。まずは「寄せ鍋」や「ちゃんこ鍋」などのように味付きの煮汁で作る煮汁系。次は「たらちり」のように、だし汁で煮たものにタレをつけて食べる水煮系。そして「すき焼き」や「牡蠣の土手鍋」などのように少ない汁気で濃い味に仕上げる鍋物です。

 これらの分類ごとにふるさとの鍋を見ていくと、煮汁系には北海道の「石狩鍋」、八戸の「せんべい鍋」、秋田の「きりたんぽ」などがあり、「おでん」や「うどんすき」もこの煮汁系といえます。水煮系には博多の「鶏の水炊き」や京都の「湯豆腐」があり、だし汁で煮た具を好みの薬味やタレでいただきます。人気のしゃぶしゃぶもこの水煮系の仲間です。3番目の濃い味系には東京の「ねぎま鍋」や名古屋の「みそおでん鍋」も忘れてはいけません。

 まだまだふるさとの自慢の鍋料理は数多く「これが出ていないじゃないか」とのお言葉も出そうですが、寒い夜には皆様お好みのタイプの味付け鍋を囲んでお楽しみください。

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